ジャコウネコのなかま
ジャコウネコのなかまは原始的なグループで、約30種がいます。細長い胴体、短い脚と長い尻尾をもっていて、ネコ目の祖先ミアキスに近い姿をしています。
ビントロング
ネコ目(食肉目) ジャコウネコ科 ビントロング属
絶滅危惧種
学名 Arctictis binturong
英名 Binturong
- 体長 60~95cm
- 尾長 50~85cm
- 体重 9~14kg
- 分布 インド北東部、東南アジア
- 生息地 森林
- 食べ物 果実、小型哺乳類、鳥、魚、昆虫
熊のような黒色の毛質と顔立ちで、猫のような長い尻尾をもっていることから、別名『クマネコ』と呼ばれています。
ビントロングの分布
ビントロングはバングラデシュ、ブータン、ミャンマー、インド(北東部)、中国(雲南省)、インドネシア、マレーシア、タイ、カンボジア、ベトナム、フィリピン(パラワン島)などに分布しています。
【生息地】森林
近年は、生息地の開発や密猟によって生息数が減ってきています。
ビントロングの特徴
体
ジャコウネコのなかまの中では最も大きい種です。ビントロングの体長は60~95cm、体重は9~14kg。通常はオスよりメスの方が体が大きくなります。
全体は黒色で、長くて粗い毛におおわれていて、毛先に白色や茶色が混ざっているのが特徴です。頭部の毛は体毛より短く、尻尾の毛は体毛より長くフサフサしています。
目
目は小さい
耳
耳は小さくて丸く、耳の縁は白くなっています。耳先の後ろには長いふさ毛があります。
鼻
鼻づら短い
口
ビントロングは雑食性なので、肉を切り裂くために長くするどいキバ(犬歯)があります。口の周りには、長い口ひげが生えています
手・足
ビントロングには、木を登るのに最適なするどい『かぎ爪』があります。爪は短く、少し曲がっていて、猫のように少しだけ引っ込めることができます。
尻尾
ジャコウネコのなかまの中では、最長の尻尾を持っています。尻尾の長さは50~85cmで、体長とほぼ同じ長さになります。
太くて長い尻尾は筋肉が発達していて、枝に巻きつけて枝から枝へ移動したり、木にぶら下がることができます。
肛門のまわりにある臭腺
ジャコウネコのなかまは、肛門のまわりに臭腺という器官があり、独特のニオイのする分泌液をだします。この分泌液を木にニオイをこすりつけて、縄張りを主張するマーキングに用いられます。
このニオイを「アーモンドやポップコーンのような香ばしいニオイだ」と感じる方が多いようです。ビントロングの尿には、ポップコーンのニオイの成分ににた物質(2-アセチル-1-ピロリン)が含まれています。
この分泌液は、香水や漢方薬の原料に使われたこともあります。
ビントロングの生態
生活
ビントロングは、単独もしくは数頭の小さな群れをつくっています。
夜行性で、森林の木の上で生活し、昼間は樹皮がはがれてできた木の穴の中(樹洞)で寝ていることが多い。時には地上に降りてきたり、水の中に潜って魚を獲ることもあります。
食事
ビントロングは果実(主にイチジク)を主食としていますが、小型哺乳類、鳥、魚、昆虫などを食べる雑食の動物です。
繁殖
繁殖期は決まっていないので、年中繁殖が可能です。妊娠期間は約90日で、1度に2~4頭の子どもを出産します。
生まれたばかりの子どもの体長は約20cm、体重は140~300g。生後10日ほどで目が開くようになり、授乳期間は6~8週間ほどあります。
性成熟はオスが生後27カ月、メスが生後30カ月です。
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