インドライオン
ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
絶滅危惧種
学名 Panthera leo persica
英名 Asiatic Lion
- 体長 140~195cm
- 尾長 70~90cm
- 体重 120~200kg
- 分布 インド北西部(ギル森林国立公園野生生物保護区)
- 生息地 森林、林
- 食べ物 大型ほ乳類、小動物、昆虫、爬虫類
インドライオンの分布
インドライオンは、インド北西部にあるギル森林国立公園野生生物保護区のみに分布しています。
【生息地】森林、林
別名は『アジアライオン』と呼ばれ、現在の生息数は約500頭ほど。
インドライオンの特徴
インドライオンは、アフリカライオンと比べて、やや小柄で体の色が薄く、体毛は短く密集しています。
しっぽの房毛は長く、下腹部にひだ状の皮ふのたるみがあります。
インドライオンは、アフリカライオンと比べて頭頂部のタテガミが短く、耳がしっかり見えます。
栄養状態や健康状態によってタテガミの色は変化し、メスにとって黒っぽいタテガミは魅力的に感じるようです。
メスにはタテガミがありません。
タテガミは敵への威嚇もありますが、戦いの中で急所である首を噛まれないように守る役目もあります。赤ちゃんにはタテガミがありません。1歳から生えはじめ3~5歳で立派なタテガミになっていきます。
年を取るとタテガミは黒くなっていきます。
インドライオンの生態
食事
単独で狩りをする
アフリカライオンは草原に生息し、大きな獲物を狩るために、メスを中心とした群れで狩りを行います。インドライオンが生息する森林や林には大きな獲物がいないため、メスが単独で狩りを行います。
インドライオンの好物
インドライオンは、シカやイノシシを好んで食べます。これ以外にも昆虫や爬虫類なども食べます。
野生のライオンは木で爪をとぐ
獲物を一発でしとめるために日頃から爪をといでいます。普段は足に爪をしまっていますが、木を登ったりする時に爪をだします。
咆哮(ほうこう)
ライオンは、少なくとも9種類の声を使い分けています。その中でも咆哮(ほうこう)は、縄張りの主張や群れのライオンとのコミュニケーションに使われ、その大声は9㎞先まで聞こえると言われています。
生活
プライドと呼ばれる群れをつくる
ライオンには、プライドと呼ばれる群れがあります。
アフリカライオンは、オス1~3頭と血縁関係のあるメスと子どもが中心になって20頭の群れを作ります。
インドライオンは、メス1~2頭と子どもを合わせて5~6頭の小さな群れをつくります。
オスは3歳になると群れを離れる
オスは3歳になると群れから追い出され、単独か他の若いオスとグループを作って行動します。放浪しながら、他の群れのリーダーを倒すための機会を探します。
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6~7歳の成獣になると、他の群れのリーダーに戦いを挑みます。
群れのリーダーをかけた壮絶な縄張り争いに勝てば新しいリーダーとなり、自分の子孫を残すことができます。群れを守るリーダーは、負ければ殺されるか、静かに群れを去ります。
新しくリーダーになっても、2~3年で世代交代があります。
子殺し
子どものライオンがいるとメスのライオンは発情しません。そこで、アフリカライオンは、新しいリーダーとして群れに入ると、自分の子どもを産ませるために前のリーダーの子どもたちを殺してしまいます。
しかし、インドライオンのメスは群れのオスと交尾した後、他の群れのオスとも交尾をします。複数のオスと交尾をすることで誰が父親か分からなくします。そうすることでオスのインドライオンから子どもを殺されるのを回避しているそうです。
繁殖
特定の繁殖期はなく、妊娠期間は約110日。約2年に1回の繁殖で、1回に2~3頭の子どもを産みます。
インドライオンは、アフリカライオンと比べて繁殖力が低く、交尾をして出産する確率は、500分の1。
生息地や個体数が限られているため、近親交配で遺伝的多様性が低く精子の70~80%が奇形だと言われています。
子育て
妊娠したメスのライオンは群れを離れて1頭だけで出産をし、生後6~8週間は、母親のみで子育てをします。
子どもがある程度成長すると群れに戻ります。
群れのメスたちは排卵をコントロールして、ほぼ同時期に発情し出産することで、みんなで協力して授乳や子育てをします。
赤ちゃんライオンをくわえて運ぶ
赤ちゃんライオンはまだ自分の足で歩くことができません。なので、母ライオンは移動する時に赤ちゃんライオンの首根っこをくわえて運ぶのです。
子どもライオンは、11か月過ぎると狩りに参加して、母ライオンといっしょに行動します。
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