【オランウータン|動物図鑑】特徴と生態

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哺乳類
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どんななかまがいるの?

オランウータンは、3種に分類されます。

  • ボルネオオランウータン 生息数45,000~69,000頭
  • スマトラオランウータン 生息数7,300頭
  • タパヌリオランウータン 生息数800頭

タパヌリオランウータンは、2017年にスマトラ島の北部に生息するオランウータンが別の種類であることが分かり、新種登録されました。

スマトラオランウータンは、300万年前にタパヌリオランウータンから分かれたと言われています。

オランウータン

 8月19日は『国際オランウータンの日』
アジアに生息する唯一の大型ヒト科動物が、オランウータンです。オランウータンは、マレー語で「森の人」という意味があり、「オラン」は人、「ウータン」は森を表します。

ボルネオオランウータン

サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
  絶滅危惧種
  学名   Pongo pygmaeus
  英名   Bornean Orangutan

  • 体長  オス120~140cm メス80~100cm
  • 尾長  0cm
  • 体重  オス70~90kg メス50~70kg
  • 分布  ボルネオ島
  • 生息地 熱帯雨林

顔は丸く、体毛はやや短めで、毛色は黒っぽく赤褐色です。

スマトラオランウータン

 サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
  絶滅危惧種
  学名   Pongo abelii
  英名   Sumatran Orangutan

  • 体長  オス100cm メス80cm
  • 尾長  0cm
  • 体重  オス50~90kg メス30~50kg
  • 分布  スマトラ島
  • 生息地 熱帯雨林

顔は細長く、体毛や顎ひげは長くて、毛の色はうすい赤褐色です。

オランウータンの分布

  • ボルネオオランウータンはボルネオ島に分布
  • スマトラオランウータンはスマトラ島の北部に分布
  • タパヌリオランウータンはスマトラ島バタントゥルのみに分布

【生息地】熱帯雨林

オランウータンの特徴

フランジ

顔の両脇のでっぱりの部分をフランジといいます。この部分が大きいオスをフランジ・オス、フランジがないオスをアンフランジ・オスと呼びます。

フランジは、すべてのオスにあるわけではありません。地域で優位だと自覚するオスだけに現れ、大きく成長します。弱いオスは何歳になっても大きくなりません。

フランジのあるオスとないオスでは体格にも大きな差があり、フランジ・オスはアンフランジ・オスの2倍ほどあります。

フランジ・オスには、胸にぶら下がる大きなのど袋があり、膨らませることで体を大きくみせます。

フランジ・オスは大きなのど袋を使ってロングコールという大声をだし、他のオスを威嚇したり、メスの気をひいたりします。その声は、数km離れていても届くと言われています。

フランジ・オスがいなくなると、他のオスのエラ部分が発達して成長しフランジ・オスになります。1度大きくなるとフランジが再び小さくなることはありません。フランジを持ったオス同士は、出会うと激しい争いになってしまいます。

物がつかみやすい平づめ

サルのなかまの手は、親指が短く、他の4指が向き合うような形をしていて、物をつかみやすくなっています。

指のつめは人と同じ平づめで、小さい物をつかむのに役立ちます。

ゴリラやチンパンジーとちがい、オランウータンはナックルウォークをしません。

正面を向いたサルの目

サルのなかまの目は、眼球が骨でかこまれているので、目の動きが安定しています。

両方の目は正面を向いていて、距離を正確にはかるのに適しています。

長い腕

オランウータンの腕は、脚の2倍ほどの長さがあります。

 

オランウータンの生態

生活

オランウータンは、群れを作らず単独で暮らしています。

木の上で過ごすことが長く、日中は食べ物をさがしに枝から枝へ移動(ツリーウェイ)し、高い木の上から降りてくることはほとんどありません。夜は、木の枝や葉っぱで作ったベットで寝ています。

ボルネオ島には大きな敵がいないので、オスは地上に下りてきて移動することもあります。メスや子どもは、何週間も木の上から下りてこないこともめずらしくありません。

単独で暮らす理由

オランウータンが生息する東南アジアでは、主食とする果物が豊富ではありません。集団で行動していると、わずかな果物をすぐに食べ尽くしてしまいます。単独で分散して行動することで、みんなに食べ物が行き届くようにしているのです。

スマトラ島は、ボルネオ島にくらべて果実が豊富です。そのためスマトラオランウータンは、複数で行動することがあります。

食べ物

雑食性で約60%が果実、その他に葉、樹皮、花、鳥の卵、昆虫、小型哺乳類を食べます。

オランウータンはドリアン、マンゴー、イチジク、マンゴスチンなどのあまい果実が大好きです。手と歯をつかって上手に皮をむき、果肉をとります。食べ物が豊富な時期に、たくさん食べて脂肪をたくわえます。

繁殖

オランウータンは、一夫一妻で、繁殖期は特に決まっていません。。妊娠期間は230~270日で、平均で6年に1度、1頭の子どもを出産します。生まれたばかりの子どもの体重は1.5~2kg。

オスが子育てに参加することはありません。

授乳期間は2~3年で、4年ほどは母親といっしょに生活をします。4年を過ぎると母親の元を離れて、自分で巣を作って生活をするようになります。そして7~10歳で完全に独立していきます。

性成熟は、オスが8~15歳、メスが6~11歳です。

最後に

現在、オランウータンが生息する森は、アブラヤ農園化による森林伐採や森林火災によって80%減少し、生活環境がどんどん悪化してきています。

密猟や密輸によってオランウータンの生息数は大きく減少し、絶滅の危険が高くなっています。

 

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