どんななかまがいるの?
オランウータンは、3種に分類されます。
- ボルネオオランウータン 生息数45,000~69,000頭
- スマトラオランウータン 生息数7,300頭
- タパヌリオランウータン 生息数800頭
オランウータン
ボルネオオランウータン
サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
絶滅危惧種
学名 Pongo pygmaeus
英名 Bornean Orangutan
- 体長 オス120~140cm メス80~100cm
- 尾長 0cm
- 体重 オス70~90kg メス50~70kg
- 分布 ボルネオ島
- 生息地 熱帯雨林
顔は丸く、体毛はやや短めで、毛色は黒っぽく赤褐色です。
スマトラオランウータン
サル目(霊長目) ヒト科 オランウータン属
絶滅危惧種
学名 Pongo abelii
英名 Sumatran Orangutan
- 体長 オス100cm メス80cm
- 尾長 0cm
- 体重 オス50~90kg メス30~50kg
- 分布 スマトラ島
- 生息地 熱帯雨林
顔は細長く、体毛や顎ひげは長くて、毛の色はうすい赤褐色です。
オランウータンの分布
- ボルネオオランウータンはボルネオ島に分布
- スマトラオランウータンはスマトラ島の北部に分布
- タパヌリオランウータンはスマトラ島バタントゥルのみに分布
【生息地】熱帯雨林
オランウータンの特徴
フランジ
顔の両脇のでっぱりの部分をフランジといいます。この部分が大きいオスをフランジ・オス、フランジがないオスをアンフランジ・オスと呼びます。
フランジは、すべてのオスにあるわけではありません。地域で優位だと自覚するオスだけに現れ、大きく成長します。弱いオスは何歳になっても大きくなりません。
フランジのあるオスとないオスでは体格にも大きな差があり、フランジ・オスはアンフランジ・オスの2倍ほどあります。
フランジ・オスには、胸にぶら下がる大きなのど袋があり、膨らませることで体を大きくみせます。
フランジ・オスは大きなのど袋を使ってロングコールという大声をだし、他のオスを威嚇したり、メスの気をひいたりします。その声は、数km離れていても届くと言われています。
物がつかみやすい平づめ
サルのなかまの手は、親指が短く、他の4指が向き合うような形をしていて、物をつかみやすくなっています。
指のつめは人と同じ平づめで、小さい物をつかむのに役立ちます。
ゴリラやチンパンジーとちがい、オランウータンはナックルウォークをしません。
正面を向いたサルの目
サルのなかまの目は、眼球が骨でかこまれているので、目の動きが安定しています。
両方の目は正面を向いていて、距離を正確にはかるのに適しています。
長い腕
オランウータンの腕は、脚の2倍ほどの長さがあります。
オランウータンの生態
生活
オランウータンは、群れを作らず単独で暮らしています。
木の上で過ごすことが長く、日中は食べ物をさがしに枝から枝へ移動(ツリーウェイ)し、高い木の上から降りてくることはほとんどありません。夜は、木の枝や葉っぱで作ったベットで寝ています。
ボルネオ島には大きな敵がいないので、オスは地上に下りてきて移動することもあります。メスや子どもは、何週間も木の上から下りてこないこともめずらしくありません。
単独で暮らす理由
オランウータンが生息する東南アジアでは、主食とする果物が豊富ではありません。集団で行動していると、わずかな果物をすぐに食べ尽くしてしまいます。単独で分散して行動することで、みんなに食べ物が行き届くようにしているのです。
食べ物
雑食性で約60%が果実、その他に葉、樹皮、花、鳥の卵、昆虫、小型哺乳類を食べます。
オランウータンはドリアン、マンゴー、イチジク、マンゴスチンなどのあまい果実が大好きです。手と歯をつかって上手に皮をむき、果肉をとります。食べ物が豊富な時期に、たくさん食べて脂肪をたくわえます。
繁殖
オランウータンは、一夫一妻で、繁殖期は特に決まっていません。。妊娠期間は230~270日で、平均で6年に1度、1頭の子どもを出産します。生まれたばかりの子どもの体重は1.5~2kg。
オスが子育てに参加することはありません。
授乳期間は2~3年で、4年ほどは母親といっしょに生活をします。4年を過ぎると母親の元を離れて、自分で巣を作って生活をするようになります。そして7~10歳で完全に独立していきます。
性成熟は、オスが8~15歳、メスが6~11歳です。
最後に
現在、オランウータンが生息する森は、アブラヤ農園化による森林伐採や森林火災によって80%減少し、生活環境がどんどん悪化してきています。
密猟や密輸によってオランウータンの生息数は大きく減少し、絶滅の危険が高くなっています。
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