コウモリ目のなかまは約1100種、すべての哺乳類の総数約5000種の約1/5。
哺乳類のなかで翼をつかって空を自由に飛べるのはコウモリだけです。
前足が進化したのが翼で、後ろ足の力はとても弱く立つことができません。
- コウモリの翼はどうなってるの?
- コウモリの超音波はどこから出てるの?
- 暗闇のなかでぶつからないの?
- なぜいつも逆さまなの?
夜になると街中でも見かけるコウモリ。
今回はコウモリの特徴をじっくり見ていきましょう。
どんななかまがいるの?
コウモリは夜行性です。
- 体が大きく視覚にたよって飛ぶオオコウモリ
- 視覚がよくないので超音波を出して昆虫などの獲物を見つける小型コウモリ
の2つに分類されます。
オオコウモリと小型コウモリのちがい
オオコウモリのなかま
オオコウモリのなかまはオオコウモリ科のみです。
日本国内では小笠原諸島と琉球諸島に生息しています。コウモリ目約1100種のなかでオオコウモリ科のなかまは約200種。
- 大型で目が大きい
- 超音波を出さないものが多い
- 夕方から活動し、視覚をたよりに飛ぶ
- 果実、花、花の蜜、花粉を食べる
- 熱帯や亜熱帯地方に生息
などの特徴があります。
小型コウモリのなかま
小型コウモリのなかまは、キクガシラコウモリ科、ヒナコウモリ科、ヘラコウモリ科、チスイコウモリ科など17つの科に分かれます。
小型コウモリの多くは、超音波を出して、獲物からはねかえってくる情報から大きさや相手の場所を知ります。これを反響定位(エコーロケーション)といいます。
- 小型で目が小さい
- 夜行性で口や鼻から超音波を出す
- 夜行性で視覚がよくない
- 昆虫を食べる。小魚、カエルなどを食べる種もいる。
- 南極以外、世界中どこにでも生息
などの特徴があります。
コウモリの特徴
コウモリの特徴をみていきましょう。
コウモリの翼のしくみ
コウモリの翼は、人でいうと腕と手の部分です。指の骨がとても長く、その指の間にうすい皮ふ(飛膜)がはられています。この飛膜をつかって空が飛べるのです。
コウモリと鳥の翼のちがいを比べてみよう
コウモリは指の骨を自由に動かせますが、鳥の指の骨はくっついていて動きません。
コウモリの飛膜には伸び縮みできるように細かいしわがたくさんあります。
小型コウモリの飛び方と狩りの手段
コウモリの翼の形は
- ➀細長いタイプ
- ➁広く短いタイプ
- ➂その中間のタイプ
の3つに分類され、翼の形によって飛び方や狩りの手段がかわります。
ヤマコウモリ、オヒキコウモリなどは翼が細長いタイプで、スピードがあるのが特徴です。
森の上空を飛んでいる昆虫をとらえることができます。
ウサギコウモリやキクガシラコウモリなどは翼が広く短いタイプで、せまい林の中でゆっくり飛ぶことができ、細かい動きができるのが特徴です。
樹の幹にとまっている昆虫をとらえることができます。
コウモリの超音波のしくみ
特に、小型コウモリの多くが超音波を口や鼻から出します。鼻から超音波をだすコウモリの鼻は複雑なつくりをしています。
山のぼりのとき、まわりの高い山に向けて『ヤッホー』と大声でさけぶと、声が山に当たって『ヤッホー』とはね返ってくるのを経験したことがあると思います。
小型コウモリは、口や鼻から超音波を出し、エサになる昆虫に当たってはね返ってくる情報を耳で聞き、相手の大きさや距離を知ることができます。これをエコーロケーション(反響定位)といいます。
暗闇のなかで壁にぶつからないの?
夜行性のコウモリは、ほとんど目が見えていません。エサを見つけるときと同様に、エコーロケーションををフル活用します。
超音波が、障害物に当たってはね返ってくる音の強さを一定にたもっています。
こうすることで障害物とぶつかるのをさけています。
いつも逆さまの理由
地上でたっているより、ぶら下がる方が力はいりません。空を飛ぶために後ろ足の筋肉を退化させた結果、体を軽くすることができました。
後ろ足には強い腱があるので、力を入れずにリラックスしてぶら下がれるのです。また天井にぶら下がることで天敵のイタチやテンに襲われなくてすむのです。
落下しながら飛び立つ
コウモリの多くは鳥のように地上から飛び上がることはできません。
後ろ足にあるかぎづめで木の枝にぶら下がり、そこから落下しながら空へ飛び立ちます。
最後に
オオコウモリは、食用での乱獲や森林伐採による生息地の減少によって、約190種類のうち約60種が絶滅の危機にあります。
小型コウモリは約1000種いますが、森林伐採による生息地の減少や汚染によって約110種が絶滅の危機にあります。
現在、国内には37種が生息しています。
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