コアラ
カンガルー目(有袋目) コアラ科 コアラ属
絶滅危惧種
学名 Phascolarctos cinereus
英名 Koala
- 体長 60~83cm
- 尾長 0cm
- 体重 8~12kg
- 分布 オーストラリア東部
- 生息地 ユーカリ林
- 食べ物 ユーカリの葉
オーストラリアの代表的な動物といえばコアラ!
日本に初めてコアラがお目見えしたのが1984年。東山動物園(愛知)、多摩動物公園(東京都)、平川動物園(鹿児島)の3つの動物園に計6頭がやってきました。
コアラの分布
コアラには3種類の亜種がいます。
- クイーンズランドコアラは、クイーンズランド州に分布
- ニューサウスウェールズコアラは、ニューサウスウェールズ州に分布
- ビクトリアコアラは、ビクトリア州に分布
【生息地】ユーカリ林
コアラの特徴
体
体は灰色の毛におおわれていて、体重は8~12kg、体長は60~83cm。オスはメスに比べて最大で50%重く、体長も大きいです。
オーストラリアの北部と南部では気温の差があるので、体の大きさに違いがあります。南部に住むコアラは寒さに適応するために、体毛や皮下脂肪が多く、北部に住むコアラより体は大きい。
コアラの体は脂肪が少なく筋肉質。四肢の筋肉が発達しているので、木の上を素早く移動できます。
コアラの手・足には、長くて鋭い5本の爪があります。前足の2本の指は人間の親指のように他の指と違う向きに付いているので、異なった方向に動かすことができるため、しっかりと手で物を握ることができます。後ろ足の親指には爪がなく、2番目と3番目の指はくっついていて、それらの爪は、毛づくろいするのに使います。
目
視力はあまり良くありません。
鼻
コアラの大きな鼻は、臭覚に優れています。ユーカリの葉の種類やユーカリに含まれる毒の量をかぎ分けることが出来ます。
また、木についた他のコアラの匂いをかぎ分けることが出来ます。
臭腺(しゅうせん)
オスの胸には細長く茶色い『臭腺』があり、独特な匂いを出します。
臭腺を木にこすりつけてマーキングすることで、他のコアラに縄張りを知らせています。茶色くなっているのはそのためです。
育児のう
メスのお腹には生まれた子どもを育てる『育児のう』があります。
コアラの生態
食べ物
毒のあるユーカリを食べる
コアラは、ユーカリの葉が大好き!
でもユーカリの葉なら何でもOKではありません。コアラが食べるユーカリはオーストラリアにある約600種の内のわずか35種だけで、季節や生息地によって変わります。
毎日200~500kgのユーカリの葉を食べても、吸収できるのはたったの25%
ユーカリの葉は消化も悪く、たんぱく質などの栄養価も高くないので、コアラは体力を消耗しないように1日18~20時間の睡眠をとっています。
ユーカリの葉には毒があるって本当?
ユーカリには有毒な青酸(シアン化水素)がふくまれているんだ!
コアラが有毒なユーカリを食べても平気なのには理由があります。
- コアラの舌や鼻は、とても敏感なので毒性がないユーカリを選別できる
- コアラの肝臓は、有毒な青酸を解毒する酵素が強い
- コアラの腸は2mあり、毒をゆっくり分解できる
- コアラの腸内細菌は、有毒な青酸を分解できる
コアラ以外で毒を分解して食べられる動物は他にいません。
水をほとんど飲まない
コアラの語源は、オーストリアの先住民の言葉で『水を飲まない』という意味があります。
水分は若いユーカリの葉や新芽から補給することが出来るので、水をほとんど飲みません。ユーカリには多くの水分(約50%)が含まれています。
ユーカリから水分を摂れるので、危険を冒してまで地上に下りる必要がありません。
うんちを食べる
コアラの子どもは生後6ヵ月を過ぎると、離乳食として母親のウンチを食べます。
このウンチにはユーカリの葉の毒を分解するのに必要な腸内細菌がふくまれています。母親が引き継いだ腸内細菌のおかげで、ユーカリの葉を食べれるようになります。
生活
コアラは夜行性に近い動物です。1日18~20時間は木の上で眠り、夕暮れになると起きてエサを探しにいきます。
地上に下りてくるのは、他の木に移動する時だけです。
繁殖
妊娠期間は約35日間、普通は1回に1頭の子どもを生みます。生まれてくる子ども体重は約0.5g、体長は約19mm。
生まれたばかりの子供は目も耳も発達していません。生まれ持った方向感覚・臭覚・触覚を使って、自分の力でお母さんのポケット(育児のう)に入り、2つある乳首の1つに吸い付きます。約6カ月間は、ポケットの中でお母さんのミルクを飲んで過ごします。
1~2歳になると親離れをして、独り立ちします。
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