ネコ科のなかま
ライオンはネコ科を代表する動物で百獣の王と呼ばれています。ネコ科の中ではトラについで2番目に大きい動物です。
アフリカライオン
ネコ目(食肉目) ネコ科 ヒョウ属
絶滅危惧種
学名 Panthera leo
英名 Lion
- 体長 オス170~250cm メス140~175cm
- 尾長 65~120cm
- 体重 オス150~200kg メス120~180kg
- 分布 アフリカ(サハラ砂漠以南)
- 生息地 サバンナ、平原、半砂漠、茂みのある高地
- 食べ物 ヌー、シマウマ
アフリカライオンの分布
アフリカライオンは、アフリカ(サハラ砂漠以南)に分布しています。
【生息地】サバンナ、平原、半砂漠、茂みのある高地
野生での寿命は10~15年。飼育環境では20~30年。アフリカに50年前まで10万頭いたライオンも今では3万頭まで減少しています。
アフリカライオンの特徴
アフリカライオンの体長は、オス170~250cm、メス140~175cm。体重はオス150~200kg、メス120~180kg。尾長は65~120cmです。
体毛は黄褐色で短く、尻尾は先端がフサフサで黒色をしています。
肉食動物に適した体をしています。
- 肉を切り裂くするどい歯
- 骨についた肉をそぎ落とすザラザラした舌
- 相手との距離感を正確につかむために目が前向き
タテガミ
アフリカライオンのオスにはフサフサで長いタテガミがあり、量が多く、色が濃いほど強いオスとされています。メスにはタテガミがありません。
オスは敵を倒すことで脳内から『テストステロン』というホルモンが分泌されます。強いオスほどテストステロンの分泌が多く、それによってタテガミを黒く長くすると言われています。
メスにとって黒っぽいタテガミのオスは魅力的に感じるようです。
タテガミは顔を大きく見せて敵への威嚇もありますが、戦いの中でキバやツメの攻撃から急所である首を守る役目もあります。
赤ちゃんにはタテガミがありません。生後1歳頃から頭や胸に毛が生えはじめ、3~5歳で立派なタテガミになっていきます。
アフリカライオンの生態
生活
アフリカライオンは夜行性で、昼間は寝て過ごし、薄暮(夕方)の時間帯に狩りをします。
20時間は木陰で休んだり寝たりしています。
ライオンの縄張りの意識が高く、プライドと呼ばれるメスのライオンを中心とした群れを作り生活してます。ネコ科の動物の中で群れを作るのはライオンだけです。縄張りの中では家族単位でサブプライドを作ることもあります。
プライドは、1~3頭のオスと血縁関係のあるメスと子どもを合わせて20頭で構成されます。オスとメスに血縁関係はありません。
オスは2~3歳になると群れから追い出され、単独か他の若いオスとグループを作って行動します。
そして数年放浪した後、他の群れを乗っ取るために戦いを挑みます。
群れのリーダーをかけた壮絶な縄張り争いに勝てば新しいリーダーになり、自分の子孫を残すことができます。
新しくリーダーになっても、2~3年で世代交代があります。
子殺し
メスは1年に1回発情しますが、子どもがいると発情しません。新しいリーダーが群れにやってくると、自分の子どもを産ませるため、前のリーダーの子どもたちは殺されていまいます。
子どもを失ったメスは発情し、新しいリーダーのオスと交尾して子供を産みます。
咆哮(ほうこう)
ライオンは、少なくとも9種類の声を使い分けています。その中でも咆哮(ほうこう)は、縄張りの主張や群れのライオンとのコミュニケーションに使われ、その大声は9㎞先まで聞こえると言われています。
ライオンの足の速さは時速64km
食事
ライオンが狩りを行うのは主に夜間です。
ライオンの世界では、狩りをして獲物をしとめるのは主に若いメスの仕事です。メスはオスにくらべて体が軽いので速く走ることができます。
大きな獲物(キリン、アフリカスイギュウ)には集団で連携しておそいかかり、ノドや口や鼻にかみついてたおします。
10~20頭で狩りをしますが、狩りに成功する確率は20~30%と低い数字です。
狩りにほとんど参加しないオスは、縄張りに敵が侵入してこないようにパトロールをしています。メスたちが大きな獲物に苦戦しているときは、オスが手助けして獲物をたおすこともあります。
捕まえた獲物を食べる順番はオスが1番、メスが2番、子どもが最後です。メスや子供たちはオスが食べ終わるまで待ちますが、オスが全部食べてしまうこともあります。
大人のライオンが1日に食べる肉の量は15~20kg。オスは群れを守るため、いつでも戦えるように準備万端でいる必要があるのです。オスは、よく食べてよく寝る。
ライオンの好物
アフリカに生息するアフリカライオンはヌーやシマウマを好んで食べ、インドに生息するインドライオンはシカやイノシシを好んで食べます。
野生のライオンは木で爪をとぐ
獲物を一発でしとめるために日頃から爪をといでいます。普段は足に爪をしまっていますが、木を登ったりする時に爪をだします。
繁殖
特定の繁殖期はなく、妊娠期間は約110日。約2年に1回の繁殖で、1度に1~4頭の子どもを出産します。
子育て
妊娠したメスのライオンは、群れを離れて1頭だけで出産をし、生後6~8週間は、母親のみで子育てをします。
子どもがある程度成長すると群れに戻ります。
群れのメスたちは排卵をコントロールして、ほぼ同時期に発情し出産することで、みんなで協力して授乳や子育てをします。
赤ちゃんライオンをくわえて運ぶ
生まれたばかりの子どもは、まだ自分の足で歩くことができません。母親は移動する時に、子どもの首根っこをくわえて運びます。生後25日~30日でようやく走り回れるようになります。
生後11カ月を過ぎると狩りに参加して、母親といっしょに行動します。
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