タテゴトアザラシ
ネコ目(食肉目) アザラシ科 ゴマフアザラシ属
学名 Phoca groenlandica
英名 Harp seal
- 全長 168~190cm
- 体重 120~135kg
- 分布 北極海、北大西洋
- 生息地 海洋、氷河
- 食べ物 魚類、甲殻類、貝類
タテゴトアザラシは、オスの背中に竪琴(ハープ)の模様があることから英語で「ハープシール」と呼ばれています。
タテゴトアザラシの分布
タテゴトアザラシは、北大西洋、北氷洋、カナダ、ニューファウンドランド、グリーンランド等に分布しています。
【生息地】海洋、流氷
タテゴトアザラシの赤ちゃんの特徴
生まれたばかりのタテゴトアザラシは、羊水におおわれて、黄色に染まった毛(イエローコート)をしています。生後3日ほどすると雪や日光にさらされて、全身真っ白でフワフワの毛(ホワイトコート)へと変わっていきます。
真っ白な毛は、氷の上で外的から身を守る保護色になります。
生後3週間ほどすると白い産毛がところどころ抜けて、親と同じ灰色の毛(グレーコート)になり、背中には黒い竪琴の模様が現れます。
タテゴトアザラシの生態
夏の間は北極海で生活しています。主食は魚類、甲殻類、貝類です。
毎年2月下旬~3月上旬になると出産・子育てのために、25万頭以上のタテゴトアザラシの群れが北極海の流氷にのってカナダ東部セントローレンス湾に浮かぶマドレーヌ諸島へやってきます。
ここはホッキョクグマやシャチなどの天敵がいないので、出産と子育てには最適な場所。
メスは、流氷の上で1頭の子どもを出産します。オスは子育てに参加することはありません。
生まればかりの子どもの体長は約90cm、体重は約10kg。まだ目が良く見えないため、ニオイで母親を探します。
脂肪たっぷりの母親の母乳を飲んで1日に2kgずつ体重が増加し、離乳する頃には体重約40kgの丸々した体になります。
生後7日目くらいには子どもに息継ぎや泳ぎ方を教え、2週間の子育てが終わると母親は子どもを流氷に残して北極海へ帰って行きます。
3月中旬には流氷がとけて粉々になり、流氷の上で生活できなくなった子どもは、水中生活で自力で魚を捕ることを覚えていきます。
白いタテゴトアザラシと黒いゼニガタアザラシ
アザラシの赤ちゃんの体の色は、周りの環境に合わせた保護色になります。
流氷の上で産まれたタテゴトアザラシの子どもは、白い色をしています。
岩場の上で生まれたゼニガタアザラシの子どもは、岩ににた黒い色をしています。
アシカとアザラシの見分け方
アシカとアザラシは、食肉目(ネコ目)のグループに入っていますが、アシカはアシカ科、アザラシはアザラシ科です。
似ているようでまったく別の動物なんです。
3つの見分けるポイント
アシカとアザラシを見分けるポイントが3つあります。
- ➀耳
- ➁前足
- ➂後ろ足
ポイント① 耳
いちばん簡単な見分け方は耳です。
アシカ・・・・外耳と呼ばれる小さな耳たぶがあります。
アザラシ・・・外耳(耳たぶ)はなく、耳に穴があいています。
ポイント② 前足
アシカ・・・・前足は大きく、陸の上でしっかりと体を支えることができます。前足にはほとんどツメがありません。
水の中ではボートのオールのように前足を大きく動かして泳ぎます。
アザラシ・・・前足は小さく、陸の上で体を支えることはできません。前足には、するどいツメがあります。
泳ぐときは前足で舵取りをします。
ポイント③ 後ろ足
アシカ・・・・後ろ足を前に折り曲げて、体を支えることができます。後ろ足にはツメがあります。
泳ぐときは後ろ足で舵取りをします。
アザラシ・・・後ろ足はヒレのようになっていて、後ろに伸びたまま曲げることができません。後ろ足には、するどいツメがあります。
泳ぎ方で見分けてみよう
アシカは、前足をつかって、鳥が羽ばたくように泳ぎます。
アザラシは、後ろ足を大きく動かして泳ぎます。
アシカとアザラシで、泳ぐのはどっちが得意なの?
海の中で泳ぐの得意なのはアザラシだよ。
歩き方で見分けてみよう
アシカ・・・・後ろ足を前に折りまげて、前足の力をつかって歩きます。
アザラシ・・・後ろ足がピンと伸びたままなので、前足の力だけでイモ虫のようにはいずります。
アシカとアザラシ、陸で歩くのはどっちが速いの?。
陸で歩くのが速いのは、アシカだよ。
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