ウマ目のなかま
シマウマと同じウマ目のなかまは約20種、ウマ科・バク科・サイ科に分かれます。
ウマ目のなかまの足の指先にはひずめがあります。そして3つの動物に共通しているのは、足の指が1本または3本と奇数ということです。シマウマの祖先には足の指が5本ありましたが、速く走るために進化の過程で第3指(中指)だけが残り大きくなりました。
ウマ科のなかまにはサバンナシマウマ、ヤマシマウマ、グレビーシマウマ、モウコノウマ、アジアロバ、アフリカロバがいます。
今回はシマウマのなかまたちを紹介していきます。
シマウマについて
白と黒のしま模様のシマウマには、草原ではやく走るのに適した長い脚があります。シマウマは食べ物を求めて3000km走るほどタフな動物です。
シマウマといえば白と黒のしま模様が特徴の動物ですが、同じ模様が1つとしてありません。
また生活環境の適応能力が高く、草原や森林から標高4000mの山地までどんなところでも過ごすことが可能です。
シマウマは大きく分けるとサバンナシマウマ、ヤマシマウマ、グレービーシマウマの3種いますが、それぞれ模様に特徴があります。
サバンナシマウマ
ウマ目(奇蹄目) ウマ科 ウマ属
学名 Equus quagga
英名 Common zebra
- 体長 210~250cm
- 尾長 45~56cm
- 体重 175~385kg
- 分布 アフリカ東部~南部
- 生息地 サバンナ、草原
- 食べ物 草、葉、枝、果実
1頭のオスと数頭のメスと子どもたちで大きな群れをつくって生活しています。他のシマウマとちがい、しま模様は腹でつながっています。濃いしま模様の間にさらに薄いしま模様がはいっているのが特徴。
ヤマシマウマ
ウマ目(奇蹄目) ウマ科 ウマ属
絶滅危惧種
学名 Equus zebra
英名 Mountain zebra
- 体長 210~260cm
- 尾長 40~55cm
- 体重 240~370kg
- 分布 アフリカ南西部
- 生息地 高原、山地
- 食べ物 草、葉
サバンナシマウマと同じように1頭のオスと数頭のメスと子どもたちで大きな群れをつくって生活しています。しま模様が太いのが特徴。腹には、しま模様がなくて白く、シマウマを上から見ると腰の部分の模様がはしごのように見えます。首の前には小さなふくらみ(肉だれ)があります。
毛皮をとるための乱獲や生息地である土地の開発により、生息数が減少。
ヤマシマウマは、3日間 水分を取らなくても生きていくことできます。
グレビーシマウマ
ウマ目(奇蹄目) ウマ科 ウマ属
絶滅危惧種
学名 Equus grevyi
英名 Grevy’s Zebra
- 体長 250~300cm
- 尾長 40~60cm
- 体重 350~450kg
- 分布 アフリカ東部
- 生息地 サバンナ、半砂漠地帯、草原
- 食べ物 草
野生のウマの中では最も大きい動物です。他のシマウマとくらべて、耳が丸くて大きく、しま模様が細くて多いのが特徴。
きめの細かいしま模様がキレイなため、毛皮として人気があるので乱獲と密猟が絶えません。現在はウシを放牧する数が増えたため、採食地としてつかえる水場が減っています。今は、2500~5000頭がエチオピアやケニアに生息しています。
シマウマの分布
- サバンナシマウマは、アフリカ東部~南部に分布。サバンナや草原に生息。
- ヤマシマウマは、アフリカ南西部に分布。高原や山地に生息。
- グレビーシマウマは、アフリカ東部に分布。サバンナや半砂漠地帯、草原に生息。
シマウマの特徴
ひずめのしくみ
ウマのひづめは、皮ふがかたくなったものです。人のツメとにています。
白と黒のしま模様の秘密
シマウマのしま模様は、草むらの中では模様がカモフラージュになり、ライオンなどの肉食動物に見つかりにくくなります。また白と黒の模様によって太陽光の吸収率を変化させて体温調節をしているなどと言われています。
しま模様の有力な説
最近のカリフォルニア大学の研究ではアフリカに生息するツェツェバエというハエから身を守るためではという説が出てきました。
ウマに白、黒、シマシマ模様の服をきせたとき、シマシマ模様のウマにだけツェツェバエは近づいてこなかったのです。
ツェツェバエは、アフリカ睡眠病の病原体であるトリパソローマという寄生虫を媒介する昆虫です。このハエに血を吸われると大きなシマウマでさえ命を落としてしまいます。
山形県では、和牛の体をシマウマのようなゼブラ柄にすることで、アブやハエなどの吸血昆虫からの被害を防ぐ実験が行わていますよ。
シマウマの模様は縦じまでなく横じま
シマウマは白と黒の模様が縦にならんでいますが、背骨を基準にしまの向きが決まるので、シマウマは横じまになります。トラの模様も同じですよ。
シマウマの見分け方
シマウマのしま模様にはそれぞれ特徴があります。人間の指の指紋と同じように同じ模様は1つもありません。
参考:小学館図鑑NEO動物
自由に動かせる耳
シマウマの耳は前や後ろへ自由に動かすことができます。遠くにいる肉食動物の物音を聞き逃さないようにしています。
なが~い顔
草食動物のシマウマは臼歯が大きく発達していて、かたい草でもすりつぶして食べることができます。臼歯の発達とともに顔も面長になっていきました。
シマウマの鳴き声
シマウマは鳴く時には『ワンワン』と犬のように、またはロバのように大きな声で鳴くそうです。
シマウマの生態
生活
シマウマは肉食動物から狙われないように群れで行動しています。またキリンやヌーやトムソンガゼルと行動をともにすることもあります。もしライオンに狙われても、時速55~65kmをだす俊足の脚で逃げ切ることができます。
群れのリーダーになるためには
シマウマは若いオスたちで形成される群れか、年長のオスがいる家族の群れで生活しています。若いオスが家族の群れに入ってきても年長のオスに打ち負かされてしまいます。若いオスが争いに勝てば、群れを乗っ取ることができます。
食べ物
シマウマは草や木の葉を歯ですりつぶしながら食べます。食べた植物は大腸で時間をかけて発酵させて消化していきます。
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