アフリカゾウ
ゾウ目(長鼻目) ゾウ科 アフリカゾウ属
絶滅危惧種
学名 Loxodonta africana
英名 African Elephant
- 体長 オス600~750cm メス540~690cm
- 体高 320~400cm
- 体重 オス5800~7500kg メス2400~3500kg
- 分布 アフリカ(サハラ砂漠より南)
- 生息地 サバンナ、熱帯雨林、砂漠、高地
- 寿命 野生のゾウで60~70年
- 食べ物 草、木の葉、実、根など
アフリカゾウの分布
アフリカゾウは、アフリカ(サハラ砂漠より南)に広く分布しています。
【生息地】サバンナ、熱帯雨林、砂漠、高地
絶滅の危険性が高い
以前は、アフリカ全域に生息していましたが、今ではサハラ砂漠より南部だけに生息。
北アフリカにいたゾウもローマ時代以降に姿を消しました。20年前から現在までに60万頭のゾウが、密猟や象牙採取のための乱獲により殺されました。今でも毎年2万頭のゾウが密猟の犠牲になっています。
アフリカゾウは100年前にはアフリカに約300~500万頭いましたが、現在は約50~65万頭にまで減ったんだ。
近年は、アフリカ南部ではアフリカゾウの数が増加傾向にあるそうです。しかし東アフリカ、中央アフリカ、西アフリカでは、依然として数が減少しています。
アフリカゾウの特徴
大きな体
アフリカゾウは陸上のほ乳類では最大の動物です。耳やキバが大きく、背中は大きくくぼんで角ばっています。頭の重さは500kgもありますが、太くて短い首で支えています。
体の色は、灰色か灰褐色で毛はほとんで生えていません。体にあるシワは、皮ふの表面積を増やす効果があるので、体にこもった熱を逃がしやすくしてくれます。
長い鼻
アフリカゾウの鼻の長さは200cm。
ゾウの長い鼻は上くちびると鼻の一部分が伸びてできたものなんだよ。
鼻の中に骨はなく筋肉でできています。そのためとても力もちの鼻です。
鼻の先にある出っぱりで木の葉をつかんで口に運んだり、鼻で水を吸いこんで口に運んだり、ニオイをかいだりと自由に鼻を動かすことができます。
ゾウの鼻先は、アフリカゾウとアジアゾウで違いがあります。アフリカゾウは、鼻先の出張りは上下1つですが、アジアゾウの鼻先の出張りは、上部に1つだけ。
大きい三角形の耳
アフリカゾウの耳は、とても大きく、長いところで200cmあります。耳の形はアフリカゾウは大きい三角形で、アジアゾウは小さい四角形。
ゾウは、相手に体を大きく見せたいときは、耳を大きく広げます。
耳が良いので、人の耳では聞き取れないような低い音(低周波)でも聞き分けることができます。
ゾウの耳の裏側には、たくさんの血管があります。体温が高くなってきたときには、耳をパタパタとひろげることで風をうけて熱を下げます。
長いキバ
アフリカゾウは、オスとメスどららにも長いキバがあります。キバは上あごの前歯(門歯)が発達して伸びたもので、生涯伸び続けます。長いもので400cmを超えるキバもあります。
大きい足
ゾウの足は直径が約40cm。足の裏は脂肪につつまれています。
歩くとき1本の足にかかる重さは1トン(1000kg)以上になります。脂肪は重たい体重をささえるクッションの役割があるので、歩くときも足音をたてないで静かに歩くことができます。
アフリカゾウの『ひづめ』は、前足が4個、後足が3個。
足の速さは時速50kmもあるんだ。
ゾウのツメや足裏はとても硬いです。毎日、ツメがのびるので飼育員さんがカマやヤスリなどで少しずつ切っていきます。ゾウの足の裏はギザギザになっていて滑りにくくなっています。
ゾウは足の裏で音を感じています。
人には聞き取れない低周波の鳴き声や、甲高い鳴き声までを足の裏で感じて、そこから骨をつたって耳で音を感じているんだよ。
遠くにいるゾウとコミュニケーションをとったり、遠くで降っている雨の音を知ることもできます。ゾウの鳴き声は、3km先のなかまにも聞こえています。
5回はえかわる歯
ゾウの奥歯(臼歯)は上下左右1本ずつの計4本あります。そしてゾウの臼歯は死ぬまでに5回生えかわります。歯がすり減ってくると、奥から新しい歯がはえてきて、古い歯は押し出されるように抜けるのです。草を食べるためにもゾウは『歯が命』です。
アフリカゾウの生態
食事
ゾウは1日に200kgの草や木の葉を食べ、水も100kg飲みます。食事にかかる時間は14時間です。大きな体なのでたくさん食べないと体力が持たないですね。もちろん食べた後はうんちの量も100kgと大量です。
生活
ゾウは家族を大事にする動物です。
ゾウは、最年長のメスをリーダーとして、10~50頭の群れをつくって生活しています。
サバンナには、雨期(雨が降る季節)と乾期(雨がほとんど降らない季節)があり、雨期になるとゾウの大好きな草が大地に生い茂ります。
そのエサ(草)を求めて、ゾウは100頭以上の群れをつくって大移動します。
繁殖
オスは基本的に単独行動です。メスの発情期になると、オスは群れを渡り歩いて交尾できるメスを探します。
アフリカゾウのメスは決まった繁殖期はなく、2~4年ごとの間隔で1頭の子どもを出産します。妊娠期間は約22カ月と長く、ほ乳類の中では最長です。
生まれたばかりの子どもの体重は90~120kg。
ゾウの乳首は前足のつけ根にあります。子どもがちょうどとどく位置。産まれて3~4年は母親の母乳で育ちます。
子どもは鼻で母親の尻尾をしっかりつかんで、小走りしながらついていきます。
ゾウのオスは10歳で生成熟し、12~15歳頃になると群れを出ていきます。
ゾウの寿命は60歳ですが、15歳までの生存率は約5割、30歳になると約5分の1が亡くなると言われています。
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